今回は、Afterコロナの家づくりについて考えていきたいと思います。
ぼくが家づくりを始めたのは、2017年。
引き渡しが2019年11月なので、コロナが発生する数か月前のことになります。
この1年で、今までの常識から新しい常識に変化し、生活様式も大きく変わりました。
生活の中心になる家もまた、価値観、求める要素が大きく変わっていると感じています。
そんなことで今回は、Afterコロナの家づくりで考えておきたいコツ、ポイントを書いていきたいと思います。
もくじ
外のウィルスを室内(生活空間)に持ち込まない
コロナウィルスは飛沫感染と接触感染でうつると言われていますが、衣類などにも付着していると言われています。
ダンボールに付着したコロナウィルスは、最大24時間生存した研究結果もあります。
そのため限界はありますが、なるべく外から持ち込んだものを生活空間に持ち込まないのは予防として有効な手段の1つになります。

わが家の間取りですが、生活空間に入る前に、コートや荷物を玄関先で収納できるように設計しました。

土間収納
コート掛けです。
アウターを生活環境に持ち込まないだけでも、予防効果があると思います。
クローク(収納の充実)アウターなどを玄関先で収納する

アウターはかさばるので、置き場がないと玄関に置きっぱなしになってしまいます。
特に我が家のように5人家族だと、アウターの数も多いです。
アウター以外にも、帽子やバッグもあります。
コロナ予防の観点から考えると、こうした外のグッズはすべて玄関先に収納し、生活空間に一切持ち込まないようにするのが有効です。
手洗いを玄関近くに設置
わが家の手洗いは玄関から入り廊下を抜けて家の奥にありますが、コロナ予防の観点から考えると失敗でした。
もしコロナ後に家の設計をするとしたら、迷うことなく玄関先に洗面台(もしくは小さな手洗い)を設置します。
コロナに限らず、インフルエンザや風邪の予防の観点でも、手を洗うのは最重要です。
生活空間に入る前に、手を洗えるようにしたかったです。(超後悔)
とよクマ
宅配ボックスの設置を考慮した玄関設計
コロナ後は、今まで以上にネットで買い物をする機会が増えました。
わが家はコロナ前の1.5倍ほど、ネットでの買い物が増えています。
設計当時は便利に使うぐらいの感覚だったネットでの買い物が、今ではライフラインの1つとして欠かせないものになりました。
そこでストレスなのは、再配達です。
- 子どもと散歩に出かけている時に配達が来てしまった
- BOXがないから持ち帰り
こんなことが、多々ありました。
宅配ボックスは後から置いたり付けたりすればいいや! と思いますが、結構な大きさなんですよね。
なので、適当に玄関を設計して、宅配ボックスは後からどこかに置けばいいと考えると、だいたいのケースではうまく置けません。
そのため、宅配ボックスを設置する前提で玄関(ポーチ)を設計する必要があります。
とよクマ
在宅ワークやオンライン授業を意識した設計

わが家の設計当時は2017~2018年。
ぼくたちの子どもたちの時代には在宅ワークやオンライン授業が主流になるだろうなぐらいの感覚でしたが、この1年でもはや主流となってしまいました。
とよクマ
ナツ
在宅ワークに対応するには、それなりの住宅設備や設計が必要になります。
わが家の後悔ポイントとからめて、考えていきたいと思います。
2~3畳の書斎

今だったら迷わずに採用していた書斎。
この3畳の書斎があるか無いかで、テレワークの効率は大きく変わります。
設計当時は予算の都合で、まず最初にボツとなった書斎が、今では優先順位の高い位置にランクインしています。
余談ですが、県民共済住宅の場合はどれだけ小さく部屋を区切っても値段(坪単価)は同じなので、小さく建てて、細かく使うのがコスパが良いです。
各部屋の防音

人(プライベートスペース)はもちろんですが、お互いの音に関しても意識する必要がある世の中になりました。
ZOOMなどPCを使ったミーティングは、わりと小さな音でも拾っちゃいます。
また逆に、使う側でも音を出すので、両隣の部屋でZOOMとなると、何の対策もしないとお互いの音が干渉してしまうことも考えられます。
わが家は廊下の面積を節約するために、リビングからすべての部屋に接続できるようにしましたが、リビング側の音をかなり拾ってしまいます。
とよクマ
今家のプランを考えるとしたら、音を拾わない間取りの観点も考慮する思います。
気休め程度かもしれませんが、各部屋の壁に断熱材を入れるだけでも、微細の効果はあるかもしれません。
ただ、体感ではですが、音が漏れるのはドアからです。
特に引き戸は音が漏れやすいです。
とよクマ
DAIKEN(ダイケン)の建材は、県民共済住宅で選択できますので、書斎などに採用してみてはいかがでしょうか。
部屋の区切りが重要に

音の観点から考えると、コロナ前に人気だった部屋をなるべく区切らない造りは使いにくいのかもしれません。
とよクマ
家族団らんの場は大事にしつつも、物理と音をしっかりシャットアウトできる部屋が必要になってきました。
そのため、1台のエアコンで家中を……から、「3畳用の冷房ってないよなぁ。どうしよう。」という悩みが多くなる気がします。
1部屋1ネット配線(有線)

最近はWi-Fiが優秀なのでFPSなどのゲームでもしない限り有線はあまり必要性を感じませんが、それでも有線の安定さは魅力的です。
わが家は4部屋(個室)中、2部屋に有線を引きましたが、今でしたら全部屋に有線を引くと思います。
Wi-Fiのモデムの置き場

わが家では家の中心にWi-Fi専用モデム置き場があり、コンパクトな平屋ということもありますが、全部屋で感度よく受信できます。
ただ2階建てになり、Wi-Fiの利用人数が多くなると話は変わってきます。
今プランを考えるとしたら、2階建てであれば2階にもWi-Fiモデムの置き場を作ると思います。
もちろん間取り次第ですが、2階でテレワークをする配置でしたら、絶対的に必要かと思います。
とよクマ
おうち時間を充実させるための設備

2020年は、家族で家の中で過ごす時間が、ぶっちぎりに多かった年だと思います。
1年実際に過ごしてみて、おうち時間を充実させるために、これはあったほうが良い!
と、思うものをご紹介していきたいと思います。
家族でくつろげるLDK
コロナ前は、「予算に限りがあればリビングは無くてもOK」と言っていましたが、今はまったくの逆です。
とよクマ
当時は家族がそれぞれ外で働き学び、集うのは夜と休日だけなので、リビングを使う時間は限りなく少ないという想定でした。
しかも、子どもが育つのは、ほんの数年。
友達と遊ぶようになり、家で家族で団らんする機会は年々減っていくと考えていました。
ですが、コロナでそんな生活も一変。
仕事はテレワークが主流、授業はオンラインと、家ですごす時間が格段に増えることになりました。
そこで活躍したのが、計画当時は何となく作っておいたリビングです。

緊急事態宣言中(休校時)は、リビングが生活の中心となり、おもちゃを広げて遊んでいました。
児童館のイメージに近いですね。
建築当時は、リビングはぜいたく品だったかなぁと思いましたが、今となっては必需品です。
本当に作っておいてよかったです。
スタディスペース
リビングのスタディスペースは、子どもたちの自主学習に大活躍しました。
先ほどのLDKの内容と合わせてスタディスペースもあるので、本当にミニ児童館(図書館併設)という感じでした。
ただ、実際に使って思ったのは、自主学習など音が出ないものには使えても、音が出る内容の仕事や勉強の相性がいいとは言えません。
とよクマ
今でしたら、子ども2人分のスペースに削減し、1人分のスペースは収納にすると思います。
やはりテレワーク=ZOOM=音が出るし(使用者も)音を出すので、物理的にも音的にも隔離した空間が適しています。
将来的にテレワークも視野に入れて作ったスタディスペースですが、テレワークでの利用は向いていないと思いました。
と考えると、三兄弟の歳は離れていますので、リビング学習用のスペースとして、2人分のスペースがあれば十分となります。
もう少し将来、たぶんですが塾もオンラインになると思います。
その場合テレワークとそれほど変わらない環境になるので、やはり個室で勉強することになります。
物理的にも音的にも隔離された空間がテレワークには必要

物理的にも音的にも隔離された空間が適していると考えると、コロナ前まで主流だった、家族のつながりを感じられる空間は逆に、もっともテレワークに適していないと考えられます。
解決方法としては、上でも書きましたが、3畳のテレワーク専用ルーム(書斎)、もしくは隔離できる設計で部屋を配置することになります。
コロナ前は、日中は家族みんな学校か仕事なので、夜と休日の限られた時間は家族のつながりを感じようよというコンセプトでしたが……
今は家族の時間は割と多くなったから、個別の時間を大切にしたい。
1人の時間を大切にしたい。
と、考える方も多いのではないでしょうか。
とよクマ
テレワークルームの造作

当時は必要ないということになりましたが、今でしたら机と軽い本棚は造作しちゃいますね。
結局のところ、規格品はデッドスペースが多くなるんですよね。
仮に2m幅のスペースがあり、規格品の机が1.8mだとしたら、0.2mはムダになっちゃうんですよね。
であれば、作っておいた方が使いやすいです。
とよクマ
今でしたら、
- フリーに使える部屋(子ども部屋→趣味部屋など)
- テレワーク部屋→子ども部屋→(子どもの)テレワーク部屋
で考え方を分けますね。
テレワーク部屋の机や本棚は、建築時に造作しちゃいますね。
とよクマ
収納とパントリーの充実

なるべく買い物の頻度と回数は減らしたいところ。
と考えると、パントリーは重要です。
2020年は食費が一番多くかかった年でした。
その分給食費や外食をしないと考えると、総計ではほぼ変わらないのでしょうが、スーパーで払うお金が多いので高く感じましたね。
冷蔵庫パンパンに食材を買っても、数日でスッカラカン。
とよクマ
ナツ
そんな日々に活躍したのがパントリーです。

ある程度の量を買い込んでも、パントリーに食材を置けるので、週に1,2回の買い物でも回るようになりました。
もしパントリーがなければ、2日おきの買い物になったと思います。
庭でお手軽アウトドアを楽しむ

わが家は庭そのものは、とても小さいですが、ウッドデッキを作りました。
リビングの次に活躍したのが、ウッドデッキです。

夏はプールにキャンプごっこ、秋はバーベキューごっこなど、手軽に外で何かを楽しむには最適な空間でした。
とよクマ
コロナ前は庭なんて子どもが小さい時だけだから、手入れも大変だしあまり必要ないと思っていましたが、コロナ後はその重要性が大きくアップしたと思います。
緑を感じられる環境

わが家が庭に力を入れなかったのは、歩いて数分で走り回れる環境があるからです。
テレワークで家の中にずっといると、体を動かしたくなりますよね。
とよクマ
そんな時にリフレッシュできる環境は人それぞれ違いますが、緑を感じながら散歩するのはストレス解消に大きな効果があるかと思います。
もし近くに歩いて緑を感じられる環境があればいいのですが、もしなければ庭を充実させるのが良いと思います。
また、外構と家のプランを合わせて考えることで、より良い住環境にもなります。
とよクマ
ご自身の土地の環境に合わせて考えてみると良いと思います。
通風を意識した窓の設計と設置

通風(空気の入れ替え)も、大事な要素の1つとなりました。
1日に何度かは、天然の風で空気を入れ替えたいですよね。
24時間換気システムもありますが、コロナ禍では天然の風でしっかりと換気したいところ。
そんな時に意識したいのが、風の通り道、通風です。
どの窓から風が入り、どの窓に風が抜けるのかをイメージしながら、間取りを設計すると良いと思います。
もしもコロナ後に家づくりをしていたらまとめ
少し長くなったので、まとめてみましょう!
まずは、外のウィルスを室内の生活空間に持ち込まない設計は1つの重要な要素です。
アウターやカバンなどを玄関先で、すべて収納できるようにすると効率が良いかと思います。
さらに生活空間に入る前に、手洗いができるように洗面台や小さな手洗い場を設けるのも予防に大きく貢献します。
宅配ボックスは大きいので、後から適当に置こうとすると、なかなか大変です。
あらかじめ置き場を決めてスペースを取っておく、ポストと一緒に外構で設置するなど、家のプランと同時に考えましょう。
在宅ワークを意識した設計で重要なのは、物理的にも音的にも隔離された空間です。
専用の2,3畳の個室スペースがあると、はかどると思います。
各部屋の壁に断熱材を入れるだけでも防音効果はありますが、一番大きなのはドアの選定です。
さらにWi-Fiなどネット環境は、十分すぎると思われるぐらい、しっかりした設備にしておきましょう。
家族で過ごす時間が増えたので、以前よりリビングが活躍するようになりました。
ただ、スタディスペースは音の問題でテレワークには向きません。
子ども用の学習空間と割り切って設計するのがオススメです。
もちろん、音や物理的な干渉が関係ないお仕事であれば、特に関係のない話です。
食料のパントリーがあると、買い物の頻度を減らすことができます。
自粛中は、家の中だけだとストレスがたまるので、庭が重要な要素になります。
特に活躍するのは軒下のウッドデッキです。
リビングが小さめでも、ウッドデッキがあれば子どもたち的にはOKです。
プールのための水道やホットプレート用のコンセントは必須です。
また、土地に合わせて(近隣の環境も考慮し)庭を設計しましょう。
とよクマ