今回は、今まで住んだアパートの退去と「家とは」について書いていきたいと思います。
「家って何だろう」
「人生における家の役割とは」
なんて、根本的な部分に対してのぼくの考え方を一度はカタチにしたいと考えていました。
思い出詰まったアパート退去の内容と合わせて、この記事で書こうかな?と、ふと思いつきで決めました。
また、アパート退去時の原状回復についてもレポートしていきます。
1LDK、6畳2部屋のアパート生活

思い返してみれば、結婚して約9年。
当時は、「1LDKであれば子供ひとりまでは十分だねっ!」
なんて言いながら、この部屋を選んだ記憶があります。
いつか2LDKに引っ越そうかと考えていましたが、結局なんだかんだで家を建てるまで住み続けてしまいました。
角部屋リビングというのも、ポイントが高かったです。
今思えば住み続けた選択は大正解で、大きな節約効果となりました。
住まいを変えるほど、お金がかかりますからね…
家賃補助もあったので、本当に色々と助かりました。

この狭いリビングに、家族5人で3枚の布団をひいて寝ていました。
6畳だと布団3枚が限界ですね。
子どもが大きくなるにつれ、夜中に蹴られたりなど狭さを感じるようになりました。
それでも、家族そろって川の字で寝るのは、人生の中で幸せなひと時だったと思います。

小さいキッチンでしたが、対面で子どもの様子を見ながら料理ができました。
たしか、妻がアパートの条件として唯一指定したのが対面キッチンでした。
ぼくはカベ付けキッチンの方が部屋が広く使えるので良いかと思ったのですが、女性の視点ならではですね。
とっても狭いキッチンでしたが、ここから色々なメニューが生まれました。
子どもが生まれた時は、ぼくが1ヶ月ほど料理を作り続けました。
おかげで、9年の修行の成果として、リンゴの皮がむけるようになりました。

長男と次男が学校に行くとき、三男はイスに乗り、上下窓からお見送りをしていました。
兄弟で「おーい!」と言い合っている声が、今でも鮮明に聞こえてくる感じがします。

もう1室は、ぼくのPCルーム&おもちゃの遊び場でした。
向かって右側がPCデスク、左側がおもちゃ置き場でした。
いったい何度、レゴを踏みつけたことでしょう。
レゴを踏まないように歩こうとし、足をくじいたことでしょう。
このブログの記事の99%は、この部屋で書いていました。
退去でいくらかかった?
子ども3人の生活なので覚悟していましたが、わりとあっさりとした原状回復費用でした。
- クリーニング代:¥35,000
- エアコンクリーニング代:¥5,000
このあたりは、契約時に定められた内容です。
ほか借主に責任がある原状回復費用は、
- 巾木割れ交換:数千円
- 24時間換気のカバーの割れ交換:¥3,000
- 壁に開けた小さな穴(パテ埋め):数千円
- コンセントの破損による交換:¥3,000
計2万円に届かないぐらいでした。
正直、少なすぎてビックリしました。
いざという時には、賃貸住宅用火災保険でカバーしようか(免責1万円)と水面下で準備していましたが、使わずに終わることになりました。
余談ですが、大きな破損であれば、住んでいるうちに火災保険を使って補修するほうがおススメです。
賃貸メーカーの担当者に話を聞いてみると、
「今の時代は、基本的にガイドラインに沿った内容でご請求しますよ。」
とのこと。
良い時代になりました。
壁紙の落書きはかなりひどかったのですが、9年住んだということもあり、一切の請求はありませんでした。

ちなみに、対応年数6年ぐらいで考えているようです。
6年に満たない解約だと、貼りかえの費用が請求されるかもしれません。
一応ですが、ドアなどのマジックやボールペンの落書きはマズいと思い、事前に消しておきました。
活躍したのが、ガンジーのインク消しです。
主にボールペンですが、かなり手軽にキレイに消すことができました。
ガンジーは、十分に元を取ったと思います。
ありがとうガンジー!
昔の原状回復費用の請求はひどかった
はい。25万ぐらい請求されて払ってしまった黒歴史があります。
たしかあれから、徹底して調べる癖がついた気がします。
当時25歳ぐらいだったでしょうか。
若いし、いいカモでしたでしょうねえ…
賃貸メーカーの人間が来ずに、委託された内装メーカーが来たんですよね。
壁紙は傷ひとつないのに、何故かすべて張替え。
玄関も靴で汚れているので、張替えの必要があるなど、思えばヒドイ内容でした。
今の時代は基本大手であれば、ガイドラインを無視したような内容で原状回復費用は請求されないかと思いますが、念のために知識を付けておくのがおススメです。
賃貸における原状回復は一言で言うと、普通に生活するうえで消耗や劣化するのはしょうがないけど、過失で壊したところは直してね。
というポイントで考えると、わかりやすいと思います。
家づくりで頭も心も精一杯な中ですが、少しでも余計な費用を減らすために、ある程度勉強して退去に臨みましょう。
家とは器のようなもの
1LDKのアパートは狭くて狭くて、5人家族ではどうしようもありませんでしたが、ぼくの今までの人生の中で、とてもとても幸せな時間でした。
狭かったですが、常に家族の存在を身近に感じることができました。
振り返ってみると、子どもが小さいうちは目が届きやすく最高の環境でした。
1LDKだからこそ、今の家族の仲、結束があるのだと思います。
そんなふうに考えると、家は料理でいう器(食器)な感じがします。
どれだけ器が見事で大きくても、中の料理がおいしくなければ(家族がバラバラでは)意味がありません。
逆に食器が小さくてスタンダードなカタチだとしても、中の料理がおいしいほうがずっと価値があるはずです。
家族の仲と歴史を紡ぐのは人であって、家はその舞台でしかないのです。
注文住宅で家づくりを進めていると、モデルハウスのような広くて開放感のある家に憧れます。
ですが、器として舞台として、本当にそこまでの広さは必要でしょうか。
住宅ローンで無理をしてカツカツな生活より、小さな家でも旅行をはじめ、家族でたくさんの経験と思い出づくりをするほうが、ずっと良いとぼくは思うのです。
そんな願いを込めて、自分の軸をブレさせないために書き続けたブログ「いい家かげん」
読者の皆さんそれぞれの「いい家かげん」を見つけるお手伝いが微力ながらでもできれば、ブログを開設したかいがあったというものです。
このブログが、少しでもどなたかのお役に立てたでしょうか。
実家暮らしが始まったでござるの巻
行く当てがない、難民化した5人家族のわが家。

頼る先は、結局実家しかありませんでした。
当初は気が重かったですが、これもまた何かの縁と考え、プラスに考えることにしました。
余談になりますが、待つとか我慢するとか、マイナスの感情(自己犠牲)で支配されるとフラストレーションがたまり、ダークサイドに落ちてしまいます。
どんな状況であっても、自分の人生はいい方向に進んでいてプラスであると考え、実際にこうして書きこむと、本当に良い方向へ行ったりします。
たぶん。
久しぶりに親父と酒を飲んだり、じっくりと話をしたり、子どもたちはジジババとの生活を心から楽しみ、妻もまあ…人間関係が上手いです。
実家とは、数年前に少し信頼関係にヒビが入った感じもしましたが、そう思っていたのはぼくだけだったのかもしれません。
なににせよ、この時間もまた大事な時間なのかもしれません。
思ってみれば、先ほどの「家は器」の記事も含めて、人の心が満たされるのはお金の要素も大切ですが、目の前にある自分の状況をどうとらえるかの感性のほうが大事なのかもしれません。
悲観や否定ではなく、まずは肯定してみると、幸せと思える感覚が心の中で広がる感じがします。
そう考えると、「遅れてよかった引渡し」になるのかもしれません。
引渡しが遅れたからこそ、親子が邂逅し、仲が修復されたのです。
人生なんて、考え方(とらえ方)ひとつ。
たとえどんなことがあっても、自分の心に向き合い、他者を大切にする心の余裕を残しておけば、きっと良い方向へ進めるのだと思います。