「平屋って何となく憧れるけど、どんなメリットとデメリットがあるの?」
「平屋を建てるか悩んでいて、もっと情報が欲しい!」
そんな方に向けて、この記事を書きました。
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このページを一読することで、平屋の良い部分と弱い部分がハッキリしますので、平屋を建てる決断に役立てられます。
手短に知りたい方は、下の目次を流し読みすると大体の内容は伝わるかと思います。
平屋を本格的に検討してみよう!と思った方は、平屋に特化した情報をまとめて無料でもらえるので、活用すると便利だと思います。
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この記事を読んで平屋の間取りに挑戦される方は、ぜひ平屋の間取りづくりの手引きもご一読ください。

平屋建てのメリット
平屋と2階建は同じ家ですが、全く別物と考えて良いでしょう。
平屋のメリットを並べていくと、2階建てには全く該当しないことばかりです。
家としての構造や間取り作りは、1階と2階ではっきり役目が分かれている2階建ての方が実は単純です。
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それでは、具体的なメリットを読んでいきましょう!
老後にやさしい(バリアフリー)
平屋のメリットは何といっても、階段がなくバリアフリーなことです。
2階建ては、洗濯物は重い洗濯を持って階段を上がり、2階のベランダに干すので、老後はとても危険です。
平屋はすべて1階で完結できるので、体にやさしい家になります。
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フレキシブルな間取りにできる
2階建ての場合、多くの場合は2階に子供部屋を配置します。
子供が成長し巣立った後に、2階の子供部屋は使い道が無くなり、倉庫になることが多いです。
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私の間取りでは、子供部屋が将来的に夫婦の寝室になるように配置されています。
フレキシブル=家族のライフスタイルの移り変わりに合わせて変化できる です。
間取り作りの手間はかかりますが、子供が独立後も無駄にならない部屋の使い方ができます。
生活動線・家事動線を効率的に短くできる
階段の上り下りが無いことと、各部屋の集約がしやすいので、生活動線と家事動線を効率的に短くできます。

注文住宅の間取り図の決め方・注意点【基本編】のページで、生活動線と家事動線について詳しく書いています。

わが家の生活動線です。
キッチンを中心点とし、各部屋に最短距離で行けるようにしました。

わが家の家事動線です。
平屋は間取りの自由度が高いので、図のように家事スペース(主に水場)をまとめて配置できます。
2階建ての場合、階段スペースの考慮が必要なこともあり、なかなか家事動線がまとめづらいです。
地震に強い
平屋は2階建てに比べ2倍の基礎があります。
基礎や建物にかかる重量は2階建てに比べると軽くなることから、地震にとても強いです。
家のどこにいても安心なのが平屋です。
制震ダンパーを積極的に導入しなくても良い
地震に強い=耐震も2階建てに比べ安心です。
制震ダンパーなどのオプションも、2階建てであれば付けたほうが良いですが、平屋は導入にこだわる必要はありません。
大地震で平屋がつぶれるケースはほとんどありませんが、2階建ての1階がつぶれてしまう話はよく聞きます。
個人的な意見にはなりますが、制震ダンパーより耐震等級3にこだわるのがおススメです。
家族のコミュニケーションがとりやすい
間取りにもよりますが、平屋は家族の存在感を感じやすく、顔も合わせやすいです。
特に私の間取りのように、家族の部屋がLDKを中心につながっていると、食事の時など一声かけるだけで聞こえます。
子供が小さい期間や老後を考えると、コミュニケーションをとりやすい間取りがおススメです。
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LDKを中心に各部屋に接続する間取りは、廊下を削減できるので、平屋の建て増し価格を含めても、同じ部屋面積の2階建てより安くなることがあります。
平屋の場合、多くは建て増し料金になりますが、廊下の坪数を減らすことで2階建て以上の実用スペースを確保することができます。
階段分の坪数を削減できる
階段は実は結構高額で、吹き抜け構造なので1階と2階両方の坪単価で計算されます。
面積も0.75坪は消費するので、2倍の1.5坪分の費用がかかります。
長い階段や特殊な階段だと、1坪(あわせて2坪分の費用)になります。
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2坪=4畳ですから、もう0.5畳足すだけで客間や小部屋ができるほどの坪数です。
こうして考えると、坪単価は平屋増しで加算になりますが、階段の削減がかなり節約に繋がります。
トイレは1個でもOK
家族が4人ぐらいであれば。トイレは1つでも十分かもしれません。
トイレは最低でも0.5坪ほど面積を必要としますので、夫婦2人の場合などは無理にトイレを増やす必要はありません。
トイレ2つよりも、介護用に広めのトイレ空間にするのがおススメです。
廊下を少なくできる
極端な話にはなりますが、玄関空けてすぐにリビングで、リビングから各部屋に接続できる間取りであれば、廊下は一切必要ありません。
私は回遊性を重視したので廊下が多くなりましたが、それでも2階建て以下に抑えられています
夫婦二人の平屋であれば、極力シンプルに小さくまとめるのが使いやすく暮らしやすいです。
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勾配天井にできる

2階建ての場合吹き抜けですが、平屋の場合は勾配天井となります。
勾配天井とは、屋根のカタチのように傾斜がかった吹き抜けです。
一般的には、吹き抜けより安価で施工できます。
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勾配天井自体はそれほどの予算はかかりませんが、シーリングファンと床暖房までセットと考えると、大きなオプション費用になります。
私は、間(あいだ)をとって折り上げ天井にしました!

太陽光発電で有利
屋根の面積が2階建てに比べて倍になるので、太陽光発電の効率も2倍になります。
片流れ屋根にすると屋根全面に太陽光を貼れるので、太陽光の売電-ローン=ゼロ なんてこともあったりします。
私が太陽光を導入しなかったのは、以下の通りです。
- イニシャルコストが大きい
- 機械なので故障もあり得る
- 一定期間後の売電価格の保証がない
導入されている方は、しっかりと損益分岐点(何年で元を取れるか)を緻密に計算されています。
最近では蓄電池もあるようなので、計算によってはお得になるかもしれません。
あわせて自治体などの補助金も活用できると、なおお得ですね!
上から足音がしない
2階建ての場合、リビングの上が子供部屋などの場合、足音がドンドンとうるさいことがありますが、平屋は常に静かです。
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小屋裏収納で収納問題を解決できる

2階建てでも導入できますが、小屋裏収納は平屋にこそ自然になじみます。
メーカーにもよりますが、坪単価より安く施工できることがあります。

物置に最適なので、できるだけ収納は小屋裏収納がおススメです。
最近では、エアコンを付けてオーディオルームや隠れ家的な部屋にする事例もあります!
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軒(のき)を長くできる

伝統的日本家屋のように軒を長くする建築方法は、性能的にはとても理にかなっています。
外壁をはじめ、建物を守る効果があります。
最近の建物は見た目や建築費削減の観点から軒を短くしがちですが、一般的な長さの軒は機能的につけることをおススメします。

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冷暖房効率が良い
間取りにもよりますが、私のようにLDKから各部屋に接続できる案であれば、LDKの空調のみで快適に過ごせます。
最近のエアコンは高性能なので、シーリングファンやサーキュレーターで拡販することで各部屋までそれなりにいきわたります。
冬場、リビング階段があると2階に熱が逃げますが、そもそも平屋には階段がないので熱を逃がしません。
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平屋建てのデメリット
平屋のメリットだけ見ると魅力的に思えますが、デメリットも数多くあります。
ある意味では、デメリットを受け入れられるか、解消できる案があるのかが、平屋を建てる決断に大きく関わってきます。
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広い土地が必要
努力や工夫ではどうにもならない部分なので、あらかじめ平屋を希望する場合は、平屋を建てられるであろう土地を探しましょう。
土地によりそれぞれ違いがありますが、建ぺい率という計算上の規制があります。
私の場合ですが、88坪×建ぺい率60%なので、52坪までの建物が法的に立てられます。
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変わったカタチの土地を交渉して安く購入し、注文住宅で土地のカタチに合わせた家を建てるのが、最もコストパフォーマンスが高いです。
建物の坪単価が高い
ハウスメーカーにもよりますが、平屋の坪単価は2階建てに比べると高くなります。
平屋は基礎と屋根が2倍になりますので、かなり建築コストが増えます。
一概にはいえませんが、標準装備で坪50~60万、オプションなどをすべて合わせると坪70~80万程度になります。
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私のケースでは、(造成、外部水道引き込み除いて)オプションや敷地内排水コミコミで、最終坪単価は53万でした。
地盤改良が不要だったのも、大きいかもしれません。

防犯に工夫が必要
平屋はすべて平面なので、その気になればどこからでも侵入できてしまいます。
2階建ての何倍も防犯の工夫が必要です。
私の防犯に対する備えは、以下の通りです。
- 足元まである長い窓は、自動シャッターにする
- 腰高までの窓は、手動シャッター(外からだとよじ登らないと侵入できない高さ)
- 小窓はすべて防犯ガラス(シャッターなしタイプ)
- センサーライトで建物に近づくとライトが付く
- あえてオープン外構
最低限のことしかしていませんが、どうあれ狙われたら、何をしても防ぎようはありません。
どうしても防犯性が低くなる覚悟は必要です。
水害には弱い
東日本大震災で2階に避難し、津波で家が流されながらも助かった事例がありましたが、平屋はそうはいきません。
海沿いの方は、水害に対して弱い構造であることも考慮しましょう。
私の住んでいる埼玉県は海なし県なので、海はまったく関係ありませんが、川の氾濫なども考えられます。
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ポイントは、2階への避難が必要な状況がありそうかどうか、です。
採光が届きにくい、計画が難しい
2階建ての場合、南のリビングに南の洋室など、ひとつの方角に2つの部屋を配置することができます。
また、建物自体が1階と2階に分かれることで建築面積が少なくなり、採光を部屋の奥まで取り入れやすくなります。
平屋は1階にすべての部屋を詰め込むので、採光の計画が難しく、暗い部屋や場所が出来やすいです。

日本の伝統建築は、基本的に平屋です。
古来日本には、「陰を楽しむ文化」がありました。
あえて平屋の特性である採光の難しさをメリットに変え、陰を楽しむ部屋の配置がおススメです。
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手間はかかりますが、採光の計算をすると、季節によって快適な太陽の光が得られます。
間取りソフトでシミュレーションもできますが、ぜひ時間や季節を変え、散歩しながらでも近くのお宅を見て回るのがおススメです。
通風の計算が難しい
採光と同じく1階にすべての部屋を詰め込むので、通風の計画が難しいです。
家において風通しは重要です。
気密性の高い家が人気である一方、風を通し空気を入れ替えることも大事です。
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近隣の家の影響を受けやすい
平屋は周辺の2階建てに囲まれてしまった場合、光が当たらなくなり暗い家になってしまいます。
今だけではなく、将来的に南や東に家が建ちそうかどうかを、しっかりとリサーチして土地を決めましょう。
2階建てでも四方を家に囲まれている場合、1階のリビングでは暗くなるので、2階のリビングを採用する人もいるぐらい、日の光は大切です。
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間取り作りが大変
平屋はよく言えばフレキシブルですが、1階にすべての部屋が集約されるので、間取り作りが思った以上に大変です。
私は9か月14案も間取りに時間を費やしましたが、2階建てであれば3か月もかからなかったでしょう。
2階建ては1階と2階に配置する部屋が決まっているので、それぞれの階の枠組みの中に収めるだけです。
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悩む理由は、将来的なライフスタイルの移り変わりによるフレキシブルな使い方を考慮するが故です。
- 新婚
- 子育て中(子供が小さい)
- 子育て後(中高生)
- 子供自立後(家を出る)
- 老後
このすべてのシーンで、どの部屋をどう使いたいかを明確にすると、無駄なくすべての部屋を使えます。
私の間取りでは将来的に子供部屋が空き次第、夫婦の寝室にし、北側の部屋は倉庫化します。
また、子供がそれぞれの個室を欲しがるまでは、北側の部屋を作業部屋とし、家族の寝室として南西の部屋を区切らずに使用します。

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平屋の間取りは、まず建築のプロが作った案や建築事例を見ることから始めると楽です。
無料で平屋の事例の資料を取り寄せ、マネできそうな事例を探しましょう。
気に入ったタイプがあれば、注文住宅にこだわらず、規格型の平屋住宅も安くて手軽でおススメです!
プライバシーの確保が難しい
平屋のメリットで、家族のコミュニケーションがとりやすいと書きましたが、裏を返せばプライバシーの確保が薄くなりがちです。
すべてLDKからアクセスできるので、個別の部屋から音が聞こえてしまいます。
- ゲーム
- パソコン
- 電話などの話し声
- 作業音
プライバシー=音 です。
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屋根断熱の性能が低いと夏は暑い
ハウスメーカーのカタログを見て、坪単価も安く、あれもこれも標準!良いじゃあないか・・・と思いますが、断熱性能など目に見えない部分のグレードは、だいじょうぶでしょうか?
快適な空間(部屋)=断熱性能 です。

夏場、2階建ての2階がやたらと暑いのは、屋根からの暑さです。
2階の分、太陽に近いからではありません。
つまり、屋根の断熱性能が低いと同じ現象が平屋でも起こります。
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地盤改良が高額になる
坪単価以外にも、地盤改良が高額になりがちです。
建坪が多くなるので、地盤に対する費用もその分必要となります。
地盤の費用は、ケースそれぞれで大きく値段が変化するので一概には言えませんが、私の予算は120~150万で組んでいました。
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地盤改良は工法や業者によっても違うので、将来的なことも考えよく比較検討しましょう。
地盤調査で惜しい数値が出た場合、セカンドオピニオンに調査をお願いすることを強くおススメします。
セカンドオピニオンの調査で不要になるケースも少なくはありません。
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地盤は1m場所がズレるだけで状況が変わるので何とも言えませんが、土地を買う前に抑えておきたいポイントが2点あります。
- 地盤サポートマップで周辺の状況を確認する
- 地主さんやお隣に聞いてもらう
この2点は必須といっても良いぐらいです。
私は地主さんが「この辺は地盤が良いんだよ~!」と言っていましたが、実はあまり信用していませんでした・・・。(スイマセン)
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私のケースにはなりますが、やはり隣近所の方の情報が大事ですので、不動産屋さんに聞いてもらいましょう!
内部給排水が高額になる
屋根の面積が多くなるので、地味に雨水浸透桝などの個数が増え、費用が追加となります。
また宅地内の給排水も建坪が大きい分、費用が高くなります。
- 浄化槽(下水)までの配管が長くなる
- 水まわり関係の給排水の配管が長くなる
- 雨水浸透枡が多くなる
- 土地が広いので、外部給排水(水道)を宅内で使うための給水配管が長くなる
一言でいえば、2階建てに比べ配管が長くなる のが原因です。
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平屋建てのメリットとデメリットまとめ
個別の項目でも触れましたが、平屋はピーキーです。
扱いづらいわけではありませんが、好き嫌いはハッキリでますし、土地や周辺環境など自分の努力でカバーできない事も関係してきます。
2階建てに比べ考えること、想定することが何倍もあるので、時間と手間が思った以上にかかります。
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平屋で家を建ててみようかな、と、まずは何となくの思い付きからスタートします。
私もたまたま買った土地が広かったので、「できるなら平屋が良いかな?」と、妻と軽く話をしながら資料を取り寄せるところから始めました。
少しでも平屋がいいな!と思ったら、色々なハウスメーカーのカタログを取り寄せ、見比べてみると楽しいです。
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平屋のみに限定したハウスメーカーの資料が無料でもらえますので、活用すると便利かもしれません。
最後になりますが、この記事を読んだことで、少しでも満足する住宅が建てられた!となれば、私にとってこれほど嬉しいことはありません。
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